第3章 指定漁業(第52条―第64条)/漁業法


(昭和二十四年十二月十五日法律第267号)

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最終改正:平成一五年七月二五日法律第127号

(最終改正までの未施行法令)
平成十五年五月三十日法律第61号(未施行)
平成十五年六月十一日法律第69号(一部未施行)
 

   第3章 指定漁業

(指定漁業の許可)
第52条  船舶により行なう漁業であつて政令で定めるもの(以下「指定漁業」という。)を営もうとする者は、船舶ごとに(母船式漁業(製造設備、冷蔵設備その他の処理設備を有する母船及びこれと一体となつて当該漁業に従事する独航船その他の農林水産省令で定める船舶(以下「独航船等」という。)により行なう指定漁業をいう。以下同じ。)にあつては、母船及び独航船等ごとにそれぞれ)、農林水産大臣の許可を受けなければならない。
 前項の政令は、水産動植物の繁殖保護又は漁業調整のため漁業者及びその使用する船舶について制限措置を講ずる必要があり、かつ、政府間の取決め、漁場の位置その他の関係上当該措置を統一して講ずることが適当であると認められる漁業について定めるものとする。
 第1項の政令を制定し又は改廃する場合には、政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。
 農林水産大臣は、第1項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
 母船式漁業に係る第1項の許可は、母船にあつてはこれと一体となつて当該漁業に従事する独航船等(以下「同一の船団に属する独航船等」という。)を、独航船等にあつてはこれと一体となつて当該漁業に従事する母船(以下「同一の船団に属する母船」という。)をそれぞれ指定して行なうものとする。
 農林水産大臣は、第1項の許可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、その者に対し許可証を交付する。

第53条  削除

(起業の認可)
第54条  指定漁業(母船式漁業を除く。)の許可を受けようとする者であつて現に船舶を使用する権利を有しないものは、船舶の建造に着手する前又は船舶を譲り受け、借り受け、その返還を受け、その他船舶を使用する権利を取得する前に、船舶ごとに、あらかじめ起業につき農林水産大臣の認可を受けることができる。
 母船式漁業の許可を受けようとする者であつて現に母船又は独航船等を使用する権利を有しないものは、母船若しくは独航船等の建造に着手する前又は母船若しくは独航船等を譲り受け、借り受け、その返還を受け、その他母船若しくは独航船等を使用する権利を取得する前に、母船及び独航船等ごとにそれぞれ、あらかじめ起業につき農林水産大臣の認可を受けることができる。
 母船式漁業の許可を受けようとする者であつて現に母船又は独航船等を使用する権利を有するものは、当該母船と同一の船団に属する独航船等の全部について母船式漁業の起業の認可が申請され、又は当該独航船等と同一の船団に属する母船について母船式漁業の起業の認可が申請されている場合には、当該母船又は独航船等について、あらかじめ起業につき農林水産大臣の認可を受けることができる。
 第52条第5項の規定は、前2項の認可に準用する。

第55条  起業の認可を受けた者がその起業の認可に基いて指定漁業の許可を申請した場合において、申請の内容が認可を受けた内容と同一であり、かつ、当該認可に係る指定漁業の許可の有効期間中であるときは、次条第1項各号の一に該当する場合を除き、許可をしなければならない。
 起業の認可を受けた者が、認可を受けた日から農林水産大臣の指定した期間内に許可を申請しないときは、起業の認可は、その期間の満了の日に、その効力を失う。

(許可又は起業の認可をしない場合)
第56条  左の各号の一に該当する場合は、農林水産大臣は、指定漁業の許可又は起業の認可をしてはならない。
 申請者が次条に規定する適格性を有する者でない場合
 その申請に係る漁業と同種の漁業の許可の不当な集中に至る虞がある場合
 申請者が当該申請に係る母船と同一の船団に属する独航船等又は当該申請に係る独航船等と同一の船団に属する母船について、現に許可若しくは起業の認可を受けており又は受けようとする者と異なる場合において、その申請につきその者の同意がないとき。
 農林水産大臣は、前項の規定により許可又は認可をしないときは、あらかじめ、当該申請者にその理由を文書をもつて通知し、公開による意見の聴取を行わなければならない。
 前項の意見の聴取に際しては、当該申請者又はその代理人は、当該事案について弁明し、かつ、証拠を提出することができる。

(許可又は起業の認可についての適格性)
第57条  指定漁業の許可又は起業の認可について適格性を有する者は、左の各号のいずれにも該当しない者とする。
 漁業に関する法令を遵守する精神を著しく欠く者であること。
 労働に関する法令を遵守する精神を著しく欠く者であること。
 許可を受けようとする船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等)が農林水産大臣の定める条件をみたさないこと。
 その申請に係る漁業を営むに足る資本を有しないこと。
 第1号又は第2号の規定により適格性を有しない者が、どんな名目によるのであつても、実質上当該漁業の経営を支配するに至る虞があること。
 農林水産大臣は、前項第3号の条件を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。

(公示)
第58条  農林水産大臣は、指定漁業の許可又は起業の認可をする場合には、第55条第1項及び第59条の規定による場合を除き、当該指定漁業につき、あらかじめ、水産動植物の繁殖保護又は漁業調整その他公益に支障を及ぼさない範囲内において、かつ、当該指定漁業を営む者の数、経営その他の事情を勘案して、その許可又は起業の認可をすべき船舶の総トン数別の隻数又は総トン数別及び操業区域別若しくは操業期間別の隻数(母船式漁業にあつては、母船の総トン数別の隻数又は総トン数別及び操業区域別若しくは操業期間別の隻数並びに各母船と同一の船団に属する独航船等の種類別及び総トン数別の隻数)並びに許可又は起業の認可を申請すべき期間を定め、これを公示しなければならない。
 前項の許可又は起業の認可を申請すべき期間は、三箇月を下ることができない。ただし、農林水産省令で定める緊急を要する特別の事情があるときは、この限りでない。
 農林水産大臣は、第1項の規定により公示すべき事項を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。ただし、前項の農林水産省令で定める緊急を要する特別の事情があるときは、この限りでない。
 農林水産大臣は、一の指定漁業につきその許可をし又は起業の認可をしても水産動植物の繁殖保護又は漁業調整その他公益に支障を及ぼさないと認めるときは、当該指定漁業につき第1項の規定による公示をしなければならない。
 水産政策審議会は、前項の公示に関し農林水産大臣に意見を述べることができる。

(公示に基づく許可等)
第58条の2  前条第1項の規定により公示した許可又は起業の認可を申請すべき期間内に許可又は起業の認可を申請した者の申請に対しては、同項の規定により公示した事項の内容と異なる申請である場合及び第56条第1項各号のいずれかに該当する場合を除き、許可又は起業の認可をしなければならない。ただし、当該申請が母船式漁業に係る場合において、当該申請が前条第1項の規定により公示した事項の内容に適合する場合及び第56条第1項各号のいずれかに該当しない場合であつても、当該申請に係る母船と同一の船団に属する独航船等についての申請の全部又は当該申請に係る独航船等と同一の船団に属する母船についての申請が前条第1項の規定により公示した事項の内容と異なる申請である場合及び第56条第1項各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
 前項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請に係る船舶の隻数(母船式漁業にあつては、母船の数。以下この項から第4項までにおいて同じ。)が前条第1項の規定により公示した船舶の隻数を超えるときは、前項の規定にかかわらず、農林水産大臣は、公正な方法でくじを行い、許可又は起業の認可をする者を定める。
 農林水産大臣は、第1項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請に係る船舶の隻数が前条第1項の規定により公示した船舶の隻数を超える場合において、その申請のうちに現に当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けている者(当該指定漁業の許可の有効期間の満了日が前条第1項の規定により公示した許可又は起業の認可を申請すべき期間の末日以前である場合にあつては、当該許可の有効期間の満了日において当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けていた者)が当該指定漁業の許可の有効期間(起業の認可を受けており又は受けていた者にあつては、当該起業の認可に係る指定漁業の許可の有効期間)の満了日の到来のため当該許可又は起業の認可に係る船舶と同一の船舶についてした申請(母船式漁業にあつては、同一の船団に属する母船及び独航船等の全部について、当該許可又は起業の認可に係る母船又は独航船等と同一の母船又は独航船等についてした申請)があるときは、前項の規定にかかわらず、その申請に対して、他の申請に優先して許可又は起業の認可をしなければならない。
 農林水産大臣は、前項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請に係る船舶の隻数が前条第1項の規定により公示した船舶の隻数を超える場合には、前項の規定にかかわらず、少なくとも次に掲げる事項を勘案して(母船式漁業にあつては、同一の船団に属する母船及び独航船等について次に掲げる事項を勘案して)許可又は起業の認可の基準を定め、これに従つて許可又は起業の認可をしなければならない。
 前項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請に係る船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。次項において同じ。)の申請者別隻数
 当該指定漁業の操業状況
 各申請者が当該指定漁業に依存する程度
 次の各号のいずれかに該当する場合における措置その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
 当該指定漁業の許可又は起業の認可の申請をした後において、当該申請に係る船舶が滅失し又は沈没した場合
 当該指定漁業について従前の許可又は起業の認可を受けている船舶が、前条第1項の許可又は起業の認可を申請すべき期間の満了日の前六箇月以内に滅失し又は沈没した場合
 当該指定漁業の許可又は起業の認可の申請に係る船舶について、次条各号の規定により許可又は起業の認可の申請をし、これに対する許可若しくは起業の認可又は申請の却下を受けていない場合
 当該指定漁業の許可又は起業の認可の申請をした者が、その申請をした後において死亡し又は解散した場合
 農林水産大臣は、第4項の基準を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。

(許可等の特例)
第59条  次の各号のいずれかに該当する場合は、その申請の内容が従前の許可又は起業の認可を受けた内容と同一であるときは、第56条第1項各号のいずれかに該当する場合を除き、指定漁業の許可又は起業の認可をしなければならない。
 指定漁業の許可を受けた者が、その許可の有効期間中に、その許可を受けた船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。以下この号から第3号までにおいて同じ。)を当該指定漁業に使用することを廃止し、他の船舶について許可又は起業の認可を申請した場合
 指定漁業の許可を受けた者が、その許可を受けた船舶が滅失し、又は沈没したため、滅失又は沈没の日から六箇月以内(その許可の有効期間中に限る。)に他の船舶について許可又は起業の認可を申請した場合
 指定漁業の許可を受けた者から、その許可の有効期間中に、許可を受けた船舶を譲り受け、借り受け、その返還を受け、その他相続又は法人の合併若しくは分割以外の事由により当該船舶を使用する権利を取得して当該指定漁業を営もうとする者が、当該船舶について指定漁業の許可又は起業の認可を申請した場合
 母船式漁業について第1号又は第2号の規定により許可又は起業の認可が申請された場合において、従前の母船若しくは独航船等を当該母船式漁業に使用することを廃止し、又は従前の母船若しくは独航船等が滅失し若しくは沈没したため従前の母船と同一の船団に属する独航船等又は従前の独航船等と同一の船団に属する母船に係る母船式漁業の許可又は起業の認可がその効力を失つたことにより、その許可又は起業の認可を受けていた者が、当該許可若しくは起業の認可に係る独航船等若しくは母船又はこれらに代えて他の独航船等若しくは母船を当該申請に係る母船と同一の船団に属する独航船等又は当該申請に係る独航船等と同一の船団に属する母船として許可又は起業の認可を申請したとき。

(許可の有効期間)
第60条  指定漁業の許可の有効期間は、五年とする。ただし、前条の規定によつて許可をした場合は、従前の許可の残存期間とする。
 前項の有効期間は、同一の指定漁業については同一の期日に満了するようにしなければならない。
 農林水産大臣は、水産動植物の繁殖保護又は漁業調整のため必要な限度において、水産政策審議会の意見を聴いて、第1項の期間より短い期間を定めることができる。

(変更の許可)
第61条  指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者が、その許可又は起業の認可を受けた船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。以下この条及び次条において同じ。)について、その船舶の総トン数を増加し、又は操業区域その他の農林水産省令で定める事項を変更しようとするときは、農林水産大臣の許可を受けなければならない。

(相続又は法人の合併若しくは分割)
第62条  指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者が死亡し、解散し、又は分割(当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けた船舶を承継させるものに限る。)をしたときは、その相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により指定漁業を営むべき者を定めたときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併によつて成立した法人又は分割によつて当該船舶を承継した法人は、当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者の地位を承継する。
 前項の規定により指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者の地位を承継した者は、承継の日から二箇月以内にその旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

(許可等の失効)
第62条の2  左の各号の一に該当する場合は、当該指定漁業の許可又は起業の認可は、その効力を失う。
 指定漁業の許可を受けた船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。次号及び第3号において同じ。)を当該指定漁業に使用することを廃止したとき。
 指定漁業の許可又は起業の認可を受けた船舶が滅失し又は沈没したとき。
 指定漁業の許可を受けた船舶を譲渡し、貸し付け、返還し、その他その船舶を使用する権利を失つたとき。
 左の各号の一に該当する場合は、当該母船と同一の船団に属する独航船等の全部又は当該独航船等と同一の船団に属する母船に係る母船式漁業の許可又は起業の認可は、その効力を失う。
 母船式漁業の許可を受けた母船又は同一の船団に属する独航船等の全部を当該母船式漁業に使用することを廃止したとき。
 母船式漁業の許可又は起業の認可を受けた母船又は同一の船団に属する独航船等の全部が滅失し又は沈没したとき。
 母船式漁業の許可を受けた母船又は同一の船団に属する独航船等の全部を譲渡し、貸し付け、返還し、その他その母船又は独航船等の全部を使用する権利を失つたとき。
 母船又は同一の船団に属する独航船等の全部に係る母船式漁業の許可又は起業の認可が第63条において準用する第38条第1項又は第39条第2項の規定により取り消されたとき。

(許可証の書換え交付等)
第62条の3  許可証の書換え交付、再交付及び返納に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。

(準用規定)
第63条  指定漁業の許可又は起業の認可に関しては、第34条第1項(漁業権の制限又は条件)、第35条(休業の届出)、第37条第1項及び第2項、第38条第1項、第39条第1項、第2項、第6項から第10項まで及び第13項から第15項まで(漁業権の取消し)並びに水産資源保護法 (昭和二十六年法律第313号)第12条 (漁業従事者に対する措置)の規定を準用する。この場合において、「都道府県知事」とあるのは「農林水産大臣」と、第34条第1項中「公益上必要があると認めるときは、免許をするにあたり、」とあるのは「公益上必要があると認めるときは、」と、第38条第1項中「第14条に規定する適格性を有する者でなくなつたとき」とあるのは「第56条第1項第1号又は第2号に該当することとなつたとき」と、第39条第1項中「漁業調整」とあるのは「水産動植物の繁殖保護、漁業調整」と、同条第6項、第10項及び第13項中「都道府県」とあるのは「国」と、同条第8項中「都道府県知事が海区漁業調整委員会の意見を聴いて」とあるのは「農林水産大臣が」と、同条第14項中「第10項、第34条第2項(海区漁業調整委員会への諮問)並びに第37条第4項(意見の聴取)」とあるのは「第10項」と、同条第15項中「地方税の滞納処分」とあるのは「国税滞納処分」と、同法第12条 中「第10条第5項 」とあるのは「漁業法第63条において準用する同法第39条第1項」と、「同条第4項の告示の日」とあるのは「その許可の取消しの日」と読み替えるものとする。
 農林水産大臣は、前項において準用する第34条第1項又は第39条第1項若しくは第2項の規定による制限若しくは条件の付加又は変更若しくは停止の命令をしようとするときは、行政手続法 (平成五年法律第88号)第13条第1項 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
 農林水産大臣は、第1項において準用する第39条第13項の規定による処分をしようとするときは、行政手続法第13条 の規定にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
 第1項において準用する第34条第1項、第37条第1項、第38条第1項又は第39条第1項、第2項若しくは第13項の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

(水産政策審議会に対する報告)
第64条  農林水産大臣は、毎年少なくとも一回、水産政策審議会に対し、指定漁業の許可及び起業の認可の状況を報告するものとする。

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